医療脱毛とは

医療レーザー脱毛とは

レーザー脱毛は、高出力のレーザーエネルギーを使用して、体の不要な毛を半永久的に減少させる施術です。レーザー光が毛根に照射され、発毛細胞を破壊することで、その部位から毛が生えなくなります。効果を実感するには複数回の施術が必要ですが、継続することで徐々に毛の量が減っていきます。

毛が生える仕組み

髪を含む体毛には、毛根に毛乳頭があり、そこに毛母細胞が存在します。この毛母細胞から毛が生成され、成長します。最近の研究では、毛母細胞の働きを調整するバジル領域も発毛において重要な役割を果たすことが分かっています。

脱毛を希望する場合、これらの発毛に関わる部分をどのように破壊するかが鍵となります。

医療レーザー脱毛の仕組み

医療レーザー脱毛は、レーザー光を毛根に照射して毛を作る発毛細胞を破壊し、毛が再生できなくする方法です。東洋人の毛は、周囲の皮膚よりも多くのメラニン色素を含んでいます。脱毛用のレーザーはこの黒い色素に吸収されやすく、レーザー光が毛に当たるとメラニン色素が光を吸収し、エネルギーが熱に変わります。この熱が発毛細胞を不可逆的に破壊し、その部分から毛が生えなくなるのです。

医療レーザー脱毛の効果が異なる理由

1. 毛周期

毛は一定の周期で生え変わり、これを「毛周期」と呼びます。この周期は以下の4段階から成ります:

  • 成長初期(毛が生える時期)
  • 成長期(毛が育つ時期)
  • 退行期(毛が抜け落ちる準備期)
  • 休止期(毛が生えていない時期)

脱毛効果が最も高いのは「成長期の毛」であり、この状態の毛は全体の約10~20%とされています。効率的に脱毛するためには、約2か月ごとに施術を行うことが理想的です。このような周期を考慮しないと、脱毛効率が低下することがあります。

2. 毛の質

医療レーザー脱毛の効果は、毛の「太さ」「色」「毛根の深さ」によっても左右されます。

  • 太さ:細い毛(産毛など)は、レーザーの照射面積が小さく、十分な熱を発生させられないため、脱毛効果が得にくいです。
  • :色が濃い毛はメラニンを多く含んでおり、レーザーを効果的に吸収しますが、色が薄い毛や白髪はメラニンが少なく、レーザーの効果が出にくいです。白髪に関しては、ニードル脱毛が唯一の有効な方法です。
  • 毛根の深さ:体の部位によって毛根の深さが異なるため、同じ毛の質でも脱毛の効果が異なることがあります。たとえば、脇の毛は毛根が浅いため効果が出やすいですが、口周りのヒゲや背中の毛は深く、効果が出にくい場合があります。

3. 肌の色

レーザー脱毛は毛の色素(メラニン)に反応しますが、肌にもメラニンが含まれています。日焼けした肌では、メラニンの量が多くなるため、レーザーが肌に吸収され、やけどのリスクが高まります。これを避けるため、施術者は出力を下げることがありますが、その結果、脱毛効果が十分に得られないことがあります。日焼けを避けることが最も重要です。

また、アザや色素沈着のある部位では、レーザーの効果が減少し、脱毛が難しいことがあります。このような場合、ニードル脱毛が適しています。

4. レーザーの種類

医療レーザー脱毛で使用されるレーザーには、主に以下の3種類があります。それぞれに特性があり、毛の質や肌の状態に応じて適切なレーザーを選ぶことが重要です。

  • アレキサンドライトレーザー:色に反応しやすく、細い毛にも効果的ですが、皮膚が色素沈着している部位には不向きです。深い毛根には十分な効果が得られないことがあります。
  • ヤグレーザー:色に反応しにくいですが、深い毛根にまでエネルギーが届くため、太く深い毛に効果的です。日焼け肌や色素沈着の部位でも使用可能ですが、痛みが強いのが特徴です。
  • ダイオードレーザー:ある程度日焼けした肌や、深い毛にも対応可能で、幅広いニーズに応じられます。中程度の痛みがあり、衛生面での配慮が必要です。

これらの要因を考慮しながら、医療レーザー脱毛を受けることが大切です。

医療レーザー脱毛のメリット

医療レーザー脱毛には、以下のような利点があります。

1. 永久的な効果が期待できる

レーザー脱毛は高エネルギーで発毛細胞を破壊するため、長期的な減毛効果が期待できます。完全にすべての毛を永久脱毛することは難しいですが、繰り返し施術を受けることで持続的な効果が得られます。

2. 短時間で広範囲の施術が可能

レーザー脱毛は一度の施術で広範囲をカバーできるため、効率的です。技術の進歩により、さらに短時間で広いエリアを脱毛できるようになっています。

3. 医療機関での施術

医療機関でのみ使用される高出力のレーザー脱毛機を使用するため、施術には専門的な知識が必要です。万が一皮膚トラブルが起きた場合でも、医療機関では適切な処置や投薬が行えます。

4. 厚生労働省認可の医療機器

最近のレーザー脱毛機は、厚生労働省から「長期的な減毛効果が認められる」として認可を受けており、信頼性があります。

医療レーザー脱毛のリスク・デメリット

医療レーザー脱毛は比較的安全な施術ですが、以下のようなリスクがあります。

1. やけど

施術後、カサブタや水膨れが生じることがあります。軽度のやけどは時間とともに治りますが、中度以上の場合は跡が残ることもあります。特に日焼けした肌への施術はやけどのリスクが高まるため、十分な注意が必要です。

2. 炎症

レーザー脱毛後、毛穴が赤くなり、毛包炎(にきびのような症状)が出ることがあります。特に男性のヒゲ脱毛では多発しがちです。この場合、抗生剤の投与や膿が溜まった場合は排出処置が行われます。

3. アレルギー

施術後に強いかゆみや赤みが現れることがあります。これは熱で変性した毛がアレルギー反応を引き起こすためです。軽度の場合は外用薬や内服薬で対処しますが、頻繁にアレルギーが出る場合はニードル脱毛への変更を検討することもあります。

4. 硬毛化

レーザー脱毛が原因で、かえって毛が太くなることがあります。具体的にはフェイスライン、二の腕、肩、背部などで多く見られます。硬毛化が起きた場合、別の方法で対応する必要がありますが、それでも改善しない場合はニードル脱毛が必要になります。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富なクリニックで施術を受けることが重要です。アフターケアやトラブルの早期発見、適切な対処も大切な要素です。