シリコン豊胸と脂肪注入豊胸の違い

2024年8月1日

豊胸施術には主な施術法として、シリコン豊胸施術、ヒアルロン酸、脂肪注入豊胸施術があります。ここでは、その中でも比較的大がかりな施術と言える白コン豊胸施術と脂肪注入豊胸施術について、ご説明します。

シリコン豊胸手術

豊胸術の中でも特に知名度が高いシリコンバッグ式豊胸術は、シリコン製のインプラント（人工乳腺）を挿入するシンプルな施術です。この手術は、バッグの種類やサイズ、挿入する位置など多様な術式があり、単にバストのサイズを大きくするだけでなく、美しいバストラインを実現することも可能です。

脂肪注入による豊胸に比べて手軽さは劣りますが、大幅なサイズアップと長期間の持続効果が期待できるため、現在でも高い需要があります。

シリコンバッグを挿入する位置は、乳腺下と大胸筋下の2つがあります。どちらの位置に挿入するかは、医師が患者の乳腺の量やバストの形を診察したうえで決定します。

シリコン豊胸手術のメリット

痩せ型の人もバストアップが可能

脂肪が少ない痩せ型の方は脂肪の採取ができない為、脂肪注入豊胸ができない場合もあります。

ですがシリコンバッグ豊胸なら体型問わずバストアップが可能なので脂肪注入豊胸の適応がなかった方も施術が可能です。

非常に柔らかくて自然

最新のシリコンバッグは非常に柔らかく、自然な仕上がりを実現します。手術後にバストを触っても人工物が入っているとは感じにくく、以前のバッグとは比べ物にならないほど自然です。

さらに、安全性も向上しています。最新のシリコンバッグは非常に丈夫で、日常生活で破れることはほとんどありません。万一破れた場合でも、中のシリコンが漏れ出さない構造になっているため、安心して使用できます。

3カップ以上の大きさにできる

脂肪注入の最大のデメリットは、バストアップできるサイズに限界があることです。1回の治療で得られる効果は、せいぜい下着で1カップ程度です。

一方、シリコンバッグ豊胸手術なら希望する大きさに調整可能です。多くの場合、下着で3カップ程度大きくすることが一般的で、1回の治療で1カップから最大5カップ程度まで大きくすることができます。

見た目・触り心地が自然

専門医は治療前にバストの状態、皮膚の厚さ、脂肪量を詳しく評価し、シリコンを最適な位置（大胸筋下または乳腺下）に挿入します。この判断は非常に重要です。

専門医が行うシリコン挿入手術では、自然な見た目と触り心地が実現されます。

シリコン豊胸手術のデメリット

体に異物を入れなければならない

最近のシリコンバッグは安全性が高く、手触りも非常に自然です。しかし、シリコンバッグを使用する豊胸手術では、胸に異物を挿入する必要があります。

経年劣化によりメンテナンスが必要な場合がある

シリコンバッグは通常、破損するリスクは非常に低いですが、極端な外力が加わると破損する可能性があります。

また、シリコンバッグ豊胸は特に問題がなければ長期間にわたりメンテナンスは不要で、劣化も少ないのが特徴です。ただし、年齢とともに体型が変わることでシリコンバッグが目立つ場合があるため、その点は留意しておくと良いでしょう。

手術痕が残る可能性

シリコンバッグ豊胸術では、脇の下を切開してバッグを挿入するため、手術後には切開跡が残ることがあります。

一般的に、これらの跡は約1年で目立たなくなり、2〜3年経つとほとんど目に付かなくなります。切開は脇のシワに沿って行うことが多いため、傷跡はシワに溶け込む形で目立ちにくく、他人からはほとんど気づかれない程度になります。

アレルギー反応が出る場合も

シリコンバッグは異物であるため、体質によっては手術後に異物反応が現れることがあります。

もちろん、アレルギー体質の方すべてが豊胸バッグで異物反応を起こすということはありません。

感染や炎症のリスク

シリコンバッグを用いた豊胸手術では、ごく稀に感染や炎症などの副作用が生じる可能性があります。どの手術にもリスクは伴うもので、完全に防ぐことは難しいです。また、体質によっては「拘縮」と呼ばれる状態が発生することがあり、胸が硬く感じることがあります。このような問題が発生した場合には、適切な対応が必要です。

脂肪注入豊胸

脂肪注入豊胸、特にコンデンスリッチ脂肪注入豊胸（CRF）は、自分自身の脂肪を採取し、それを胸部に注入する方法です。この施術により、豊胸と同時に部分痩せが可能です。

お腹や太ももに脂肪がついているけれどバストが小さく悩んでいる方や、シリコンバッグなどの異物を体内に入れるのに抵抗がある方にとって、脂肪注入豊胸は魅力的な選択肢となります。

脂肪注入豊胸のメリット

より高い定着率

コンデンスリッチ脂肪注入豊胸（CRF）は、脂肪注入豊胸の一種で、より高い定着率を求める方に適しています。施術では、脂肪中のクリーンな成分だけを濃縮する特殊な加重遠心分離法を用います。

アメリカのFDA（米国食品医薬品局）の認可を受けた専用機器を使用し、採取した脂肪を外気に触れさせずに清潔に処理することが可能です。特許技術であるウェイトフィルターにより、死活細胞や老化細胞、細胞破片などの不純物を徹底的に除去し、しこりや細胞壊死、石灰化のリスクを最小限に抑えます。

この方法の最大のメリットは、自分の脂肪を使用するため、自然な柔らかさや揺れ、触り心地が得られることです。サイズアップの効果があり、レントゲンや乳がん検診、授乳も通常通り行えます。傷跡も目立たず、定着率が高いため、半永久的に効果が持続します。シリコンバッグなどの異物を使わず、メンテナンスの必要がない点も大きな特徴です。

ダイエット効果がある

コンデンスリッチ脂肪注入を選ぶ人の中には、ダイエット効果がある点にメリットを感じている人が少なくありません。

お腹や太ももなど脂肪がつきやすい箇所から脂肪を吸引した脂肪を使用するため、部分痩せが叶います。

授乳への影響がない

妊娠や出産を考えている場合、授乳の可能性についても気になるかもしれません。

シリコンバッグ豊胸では、バッグを乳腺の下に挿入することで、授乳に影響が出る可能性があります。異物を体内に入れるため、乳腺に近い位置にバッグがあると、感染のリスクも高くなります。

一方、脂肪注入豊胸では、乳腺には脂肪を注入しないため、授乳に影響を与えることはありません。

豊胸手術がバレにくい

特に痩せ型の人の場合、シリコンバッグを入れると目立ちます。

そうでなくても谷間が不自然、仰向けになった時に胸が流れない、触られると感触が違う、傷跡が残るなど、これらはシリコンバッグ豊胸を受けた人に共通するデメリットです。

その点、脂肪注入での豊胸は上記のようなことはなく、自然な仕上がりでバレにくいです。

一生物の胸が手に入る

シリコンバッグは経年劣化するため一般的な寿命は一般的に10年程と言われ、定期的なメンテナンスが必要。

その点脂肪注入の効果は半永久的に継続します。

脂肪豊胸の手術は、脂肪注入するために皮膚を伸ばす手術→脂肪吸引手術→脂肪注入手術の3回程度行うことが多いです。

脂肪注入豊胸のデメリット

1度の施術でのサイズアップに限界がある

コンデンスリッチ脂肪注入豊胸では、採取した脂肪を大量に注入すればサイズが無限に大きくなるわけではありません。脂肪細胞がバスト内の血管としっかり接続し、定着する必要があるため、1回の施術で実現できるのは最大でも2カップ程度のサイズアップが限界です。

授乳後やシリコンバッグ豊胸を受けた経験があるなどでバストの皮膚が伸びやすい方には多めに注入することが可能ですが、それでも極端に大きくすることはできません。より大きなバストサイズを目指す場合には、シリコンバッグによる豊胸術の方が適しています。

痩せ型の人には適してない

脂肪注入による豊胸では、まず脂肪細胞を採取する必要があるため、痩せ型の方など脂肪細胞が少ない方には施術が難しい場合があります。特にコンデンスリッチ脂肪注入では、多くの脂肪細胞が必要となるため、適応が難しいケースがあるのも事実です。

ただし、痩せ型の方でも注入に必要な脂肪細胞を採取できることもありますので、まずはクリニックでカウンセリングを受け、専門医に相談するのが良いでしょう。

効果を予測しづらい

注入した脂肪細胞がどれだけ定着するかは、体質や術後のケアによって大きく異なります。そのため、最終的にどの程度の脂肪が残るかを完全に予測するのは難しく、仕上がりのデザインを細かく調整するのが難しい点がデメリットです。

理想的なバストの形を具体的に決めており、その形を確実に実現したい場合は、シリコンバッグ豊胸の方が適しているかもしれません。

脂肪吸引箇所のケアなどダウンタイムが大変

脂肪注入豊胸では、バストに注入した脂肪だけでなく、脂肪を吸引した部位の術後ケアも重要です。吸引した部分には1ヶ月程度、強い圧迫が必要です。一方で、注入したバストについては圧迫刺激を避けるため、うつ伏せや寝返りを避けるなどのケアが求められます。これにより、ダウンタイム中のセルフケアが少々手間がかかることがあります。

しこりが出来てしまう事がある

注入した脂肪が定着せず体内に吸収されると説明しましたが、脂肪注入時に不純物が多いと炎症や石灰化が起こり、しこりとなる可能性があります。これが違和感の原因となることもあります。コンデンスリッチ脂肪注入豊胸では不純物が極力取り除かれた状態で注入されるため、こうしたリスクは最小限に抑えられますが、完全にリスクがゼロであるわけではありません。