カルテの歴史

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電子カルテの歴史

電子カルテは1999年に誕生しましたが、それ以前から医療現場ではIT化が進んでいました。今回は、電子カルテの歴史と医療現場におけるIT導入の経緯について紹介します。

1999年:電子カルテの誕生
電子カルテは1999年に登場しましたが、その前から医療現場ではIT化が進んでいました。1970年代には診療報酬明細書を作成できるレセプトコンピュータ(レセコン)が導入され、続いて診療支援ソフトも登場しました。電子カルテは、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づき、真正性、見読性、保存性を満たす電子データとしてカルテを保存できるようになりました。

2005年頃~:レセプト機能搭載システムの誕生
2005年に日本医師会が提供するORCA(標準レセプトソフト)が誕生し、これに連動する電子カルテが開発されるようになりました。これにより、レセプト機能を内蔵する必要がなくなり、メーカーは電子カルテの開発に専念できるようになりました。

現在:クラウド型電子カルテの普及
最近ではクラウド型電子カルテが主流となっています。従来の電子カルテは院内にサーバーを設置する必要がありましたが、クラウド型ではインターネットを介してサービスにアクセスするだけで利用できます。これにより、設備の設置やメンテナンスの手間が省かれ、医療スタッフは本業に集中しやすくなります。

電子カルテの普及状況

電子カルテの普及率は年々上昇していますが、まだ半数程度です。特にクリニックや診療所、無床病院では導入が進んでいないところも多いです。厚生労働省の調査によれば、令和2年時点で一般病院の普及率は57.2%、一般診療所では49.9%です。特に小規模病院や無床診療所では普及率が低いですが、近年のデータと比較すると確実に向上しています。

将来の展望

小規模病院や診療所の普及が遅れた要因には、コストや運用人員の不足が挙げられます。しかし、最近では操作性が良く、コストを抑えたシステムが増えており、特に新型コロナウイルスの影響で在宅医療やオンライン診療のニーズが高まったため、電子カルテを導入する医療機関も増加傾向にあります。地域医療との連携が推奨されている中で、電子カルテの導入は今後さらに進むと考えられます。

電子カルテ導入のメリット

電子カルテの導入により、さまざまな効果が期待できます。

  1. 業務スピードの向上
    電子カルテは、紙カルテに比べて管理がしやすく、操作も簡便で業務効率化を実現します。具体的な利点としては、物理的な保管場所が不要、診断書や紹介状の作成が容易、情報の検索・編集が迅速に行えることなどがあります。
  2. ミスの軽減と精度向上
    人為的なミスやトラブルのリスクを軽減します。電子カルテは自動チェック機能を備え、処方ミスや受け渡しミスの防止に寄与します。

デメリットと対策

電子カルテにはデメリットも存在します。

  • システムの学習が必要
    操作に不慣れな場合、導入初期は時間がかかることがあります。事前に院内研修を行い、システムに慣れることが重要です。
  • 導入・運用コスト
    初期費用やランニングコストがかかります。費用対効果をしっかり計算し、導入に適した製品を選ぶことが求められます。

電子カルテの現状や将来をふまえ導入を検討しよう

電子カルテは、1999年の登場以来、医療ニーズに応じて進化してきました。大規模病院では高い普及率を誇る一方で、小規模病院や診療所でも導入が進んでいます。業務のスピードや精度を向上させる一方で、システムの学習や費用対効果の計算が必要です。自院に最適な製品を選び、業務改善に役立てましょう。

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