いちご鼻とは
いちご鼻とは、鼻や小鼻の毛穴が黒ずんでいる状態のことを指します。ニキビとは異なり、いちご鼻は鼻の角栓が黒ずんだり、色素沈着を起こしている状態です。ニキビは、皮脂にアクネ菌が増殖して炎症を引き起こしたものです。
いちご鼻を放置すると、ニキビに発展する可能性があります。そのため、早めに適切な対策を講じることが重要です。
いちご鼻の種類と原因
いちご鼻には原因によっていくつかの種類があります。そこで、ここからはそもそもどういったことが原因でいちご鼻になってしまうのか、それぞれ詳しく解説します。
角栓によるいちご鼻
特徴
まず考えられるのは、角栓によるいちご鼻です。角栓は毛穴に詰まった皮脂と、代謝によって剥がれた皮膚の古い角質からできています。この角栓が酸化すると黒ずんで見えるというわけです。では、なぜ角栓ができてしまうのでしょうか。主な理由は3つあります。
原因
いちご鼻の原因の一つは、ターンオーバーの乱れです。何らかの原因でターンオーバーのサイクルが遅れると、古い角質が排出されずに毛穴に詰まってしまいます。
また、メイクを十分に落としきれないことも原因となります。メイクの油性成分が残ると、それが古い角質や皮脂と混ざり、毛穴に詰まって角栓となります。
さらに、皮脂の過剰分泌もいちご鼻の原因です。ホルモンバランスの乱れや脂質の多い食事などが原因で皮脂が多く分泌されます。汗をかきやすい人や、夕方になると肌がテカる人は、皮脂が過剰に分泌されやすい体質かもしれません。
メラニン色素の色素沈着によるいちご鼻
特徴
角栓ではなくメラニン色素が沈着してしまっている場合もあります。メラニン色素とは、肌や毛髪、瞳の色などを構成している色素のことです。
原因
毛穴の周辺で炎症が起きると、メラニン色素が過剰に生成され、毛穴の入り口部分に沈着して黒ずんで見えることがあります。この状態は「毛穴ジミ」と呼ばれることもあります。肌を触ってザラザラしない場合、角栓ではなくメラニン色素が原因かもしれません。
毛穴周辺で炎症が起こる原因はさまざまです。多くの場合、ニキビや毛穴を気にして過剰なケアを行うことが原因です。肌に負担をかける過剰なケアは逆効果になるため、注意が必要です。
他にも、紫外線が原因で炎症が起こるケースもあります。もし毛穴ケアに問題がなければ、紫外線対策を行うことで改善するかもしれません。
毛穴の開きや産毛がいちご鼻に見える場合も!
特徴
毛穴の開きや産毛によっていちご鼻に見えてしまうこともあります。開き毛穴は肌が乾燥していたり食生活が乱れていたりした場合によく起こります。
原因
毛穴の開きが大きいと、肌に凹凸ができ、黒い影のように見えることがあります。朝起きたときに顔がぬるぬるしている人や、時間が経つと肌がテカる人は、開き毛穴の可能性が考えられます。
また、毛を剃ることで毛の断面が目立つこともあります。鼻の周辺に太い産毛がある場合、この断面が黒い斑点のように見えることがあります。もし産毛が原因であれば、レーザー脱毛を検討するとよいでしょう。毛抜きを使うと肌にダメージを与える危険性があるので注意が必要です。
いちご鼻の予防方法
いちご鼻を予防するにはどうすればよいのでしょうか。効果的な方法をいくつか紹介します。
メイクを早めに落とす
帰宅したら、なるべく早くメイクを落とすよう心がけましょう。メイクに含まれる鉱物油はホコリを吸着しやすく、角栓の原因になります。また、長時間メイクをしていると油分が酸化し、それが黒ずみを引き起こします。外出時はメイクをする必要がありますが、家にいる間はノーメイクで過ごすことをおすすめします。
メイク落としシートはなるべく使わない
メイクを落とすときは、できるだけメイク落としシートを避けるようにしましょう。シートを使うと摩擦で角質層が傷む可能性があり、いちご鼻が悪化することがあります。シートの代わりに、適切なクレンジングを使ってメイクや顔の汚れをしっかりと取り除くことが大切です。
肌の保湿をしっかり行う
皮脂が過剰に分泌される原因の一つに乾燥があります。だからこそ、肌の保湿を十分に行うことが大切です。皮脂が気になるからといって、油分を含まないスキンケアアイテムだけを使うのはおすすめできません。肌の潤いを保つためには、適度な油分も必要です。大切なのは、油分と水分のバランスを適切に保つことです。
紫外線対策をする
顔の紫外線対策は、夏だけでなく一年中行うべきです。紫外線は季節に関係なく肌に影響を与えるため、外出時にはスティックタイプやスプレータイプのUV対策アイテムを常に持っておくことが大切です。特に日焼け止めは汗などで容易に落ちるため、汗をかいた場合はこまめに塗り直すことを心がけましょう。
これはNG!いちご鼻を悪化させてしまうこと
いちご鼻を悪化させてしまうNG行為を紹介します。
指で角栓を押し出してしまうこと
角栓を指で押し出す際に、毛穴の両側に指を添えて力を入れて圧迫すると、毛穴が開いてしまうことがあります。これにより、さらに皮脂が詰まりやすくなることがあります。また、強い刺激が皮膚に加わるとメラニン色素の生成が活発になり、色素沈着が進むリスクがあります。これが毛穴周辺の黒ずみとなり、いちご鼻の原因になることがあります。
毛穴パックシートを使う
毛穴パックで角栓を無理に取り除くことも、いちご鼻を悪化させる原因になります。毛穴パック後、角栓が取れると毛穴が開きやすくなります。この状態では汚れがたまりやすく、また、乾燥を防ぐために皮脂が過剰に分泌されることがあります。過剰な皮脂は角質と混ざり、新たな角栓を作る原因となります。
落ちにくいメイクやメイクの厚塗り
角栓は、角質、皮脂、汚れが毛穴に詰まってできるため、いちご鼻を解消するには皮膚を常に清潔に保つことが重要です。落ちにくいメイクや厚塗りをすると、メイクが十分に落ちず、汚れが皮膚に残るリスクが高まります。これにより角栓が増えていちご鼻が悪化するため、メイクアイテムの選び方や使用方法には十分な注意が必要です。
過剰な洗顔
鼻のざらざら感を解消したくて、顔を強くこすってしまうことがありますが、洗顔時の刺激がいちご鼻を悪化させることがあります。洗顔料はしっかり泡立てて、強い力をかけずに優しく洗いましょう。また、顔の凹凸や髪の生え際にメイクや洗顔料が残らないよう、ぬるま湯で丁寧に洗い流すことも大切です。
正しくない方法のオイルクレンジング
オイルクレンジングは、水と混ぜて乳化させることで洗浄力が向上します。乳化がしっかり行われると、メイク落としやすすぎの時間が短縮され、肌への負担も軽減されます。しかし、乳化が不十分だと肌に過剰な刺激を与え、オイルが残る原因になります。また、乳化時に力を入れすぎると、いちご鼻を悪化させる可能性があるため、優しく行うことが大切です。
正しくない方法のピーリング
ピーリングは古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進することで、いちご鼻の改善が期待できます。ただし、ピーリングを誤って使用すると肌にダメージを与え、いちご鼻が悪化する可能性があります。特に、スクラブ入りのピーリング剤などの市販商品は、肌に過剰な刺激を与えることがあります。いちご鼻の改善を目指すなら、医療機関で受けるケミカルピーリングなどの専門的な治療が効果的です。
不規則な生活・不健康な生活習慣
睡眠不足や偏った食生活は、肌のターンオーバーを正常に保つのを難しくします。さらに、運動不足や喫煙も血流を悪化させ、肌のターンオーバーに悪影響を与えます。ターンオーバーが乱れると、古い角質が肌に残り、角栓として蓄積し、いちご鼻を悪化させる原因になります。適度な運動やバランスの取れた食事、喫煙の中止といった生活習慣の見直しが、いちご鼻の改善につながります。
いちご鼻の改善方法
いちご鼻を改善するための方法を紹介します。
規則正しい生活をする
角栓は肌のターンオーバーが正常であれば、1〜2ヶ月で自然に排出されます。そのため、ツルツルの鼻を維持するためにはターンオーバーをしっかりと保つことが大切です。質の良い睡眠を確保し、適度な運動を日常的に行うことで、ターンオーバーを正常に保つことができます。また、緑黄色野菜やたんぱく質を豊富に摂取し、皮脂の分泌を促すファストフードを控えることも、健康的な肌を保つために有効です。
正しい洗顔を行う
洗顔を行う際は、まず手をよく洗ってから洗顔料を取り、泡立てネットや泡立て器を使ってふわふわの泡を作ります。皮脂が多いTゾーンや鼻、顎に泡を優しく広げながら洗い、強くこすったり、長時間洗顔を続けたりしないようにしましょう。肌に負担をかけることなく、泡を軽く滑らせるように洗います。最後に、髪の生え際などに洗顔料が残らないように、ぬるま湯でしっかりとすすぎましょう。
正しい肌の保湿を行う
肌が乾燥すると、その補おうとして皮脂の分泌が増加します。いちご鼻を改善するには、洗顔後に適切な保湿を行い、肌の潤いを保つことが重要です。化粧水で水分を補った後には、乳液やクリームなどの油分を含むアイテムで水分をしっかりと閉じ込めましょう。化粧水だけでは水分が蒸発しやすく、肌が乾燥して皮脂の分泌が増える可能性があります。
紫外線・UV対策をする
毛穴周辺の色素沈着が進むと、いちご鼻の原因となることがあります。これは、紫外線などの刺激によってメラニン色素の生成が増加するためです。色素沈着を防ぐには、日常のスキンケアで美白成分を含む製品を使用するのが効果的です。さらに、紫外線は一年中降り注いでいるため、強い日差しの夏だけでなく、年間を通じてUV対策をしっかり行うことが大切です。
美容皮膚科に相談する
セルフケアでいちご鼻を改善するのは時間がかかることがあります。「いちご鼻が改善しない」「適切な治し方がわからない」という方は、美容皮膚科に相談するのが良いでしょう。ピーリングなどの治療は自己判断で行うと逆効果になる場合がありますが、美容皮膚科では専門的な治療を受けることができ、効果的かつ迅速な改善が期待できます。