プラセンタとは
プラセンタは「胎盤」を指します。胎盤は妊娠中に形成される「一時的な臓器」で、胎児に栄養や酸素を供給したり、毒素や異物から守る免疫機能を担ったりする役割を果たします。
動物が出産後に自身の胎盤を食べる行動は広く知られており、栄養価の高い胎盤を摂取することで、産後の体力回復を促すことを本能的に理解していると考えられています。胎盤のもつ栄養素の豊富さや機能が注目され、その成分が医薬品やサプリメントとして活用されるようになりました。
近年、健康や美容への関心が高まる中で、プラセンタの効果に対する評価はますます高まっています。
プラセンタの効果
プラセンタは、健康や美容の多方面にわたる効果が期待されており、不調の改善からアンチエイジングまで幅広い用途で注目されています。
＜プラセンタの主な効果＞
- 更年期障害の改善
ほてり、のぼせ、発汗、イライラ、不眠、頭痛などの症状を緩和する効果が期待されます。 - 免疫機能の強化
体の抵抗力を高め、病気になりにくい体づくりをサポートします。 - 抗酸化作用
活性酸素を除去し、細胞の老化を防止する効果が期待されます。 - 強肝・解毒作用
肝臓の働きを助け、体内の毒素を効率よく処理するサポートを行います。 - 乳汁分泌促進作用
乳汁の分泌を促進し、授乳期のサポートとして活用されています。 - 抗アレルギー作用
アレルギー症状を抑える効果があり、花粉症などにも期待されています。 - 疲労回復
疲労を取り除き、元気を取り戻す効果があります。 - 美肌効果
シミやシワ、ニキビの改善、美白効果など、肌の状態を整える働きが注目されています。
プラセンタのこれらの効果が、健康改善や美容維持を目指す多くの人に支持される理由の一つとなっています。
効果の理由
プラセンタ療法は、幅広い効果が実証されていますが、現在のところ、「どの成分が具体的に効いているのか」といった有効成分の特定には至っていません。プラセンタに含まれる多様な成分が相互に作用し、総合的に効果を発揮していると考えられています。
自然治癒力の向上がプラセンタ効果の鍵
プラセンタの効果の根本には、「自然治癒力を高める」という特性があります。
人間の体には、病気や疲労、傷などを自らの力で修復し回復させる自然治癒力が備わっています。プラセンタは、この自然治癒力を強力にサポートすることで、特定の病気や症状だけでなく、全身的な健康改善や美容効果をもたらすとされています。
そのため、プラセンタは一つの症状に限定せず、体全体の調子を整え、多方面での効果が期待できる治療法として注目されています。
プラセンタ療法の安全性
プラセンタ注射薬は、ヒトの胎盤を原料に使用して製造されています。この胎盤は、提供者の健康状態が徹底的にチェックされた上で使用されており、ウイルスや細菌の混入を防ぐための厳格な管理が行われています。また、製造工程では、ウイルスや細菌を不活化する処理が施され、安全性が確保されています。
しかしながら、プラセンタ注射薬の使用にあたっては、副作用が報告される場合もあります。主な副作用としては、注射部位の痛みや赤み、悪寒、発熱、発疹などが挙げられます。これらの症状が見られた場合には、速やかに医師に相談することが重要です。
プラセンタ注射は、高い安全性と有効性が期待される一方で、副作用のリスクもゼロではありません。そのため、医師の指導のもとで適切に使用することが求められます。
プラセンタ療法を行うにあたっての注意事項
プラセンタ療法は、下記の注意事項を十分ご理解いただいた上で受けていただくようお願いします。
・プラセンタ療法を受けた後は、厚生労働省の指針により、献血ができなくなります。
・プラセンタ投与後の臓器提供は、移植される人が主治医からリスクなどの適切な説明を受けた上で、提供に同意した場合のみ可能となります。
